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3月15日──橋本徹のコンピ&カフェ・アプレミディ情報

20年越しの僕の念願がかなったテリー・キャリアーの『Free Soul. the classic of Terry Callier』が、今週リリースされました。週が明けると、“マイ・ベスト・2010s”という感じの『Free Soul ~ 2010s Urban-Mellow Supreme』が入荷してきます。Free Soulを始めた頃と今が時をこえて結びついたような、僕にとって精神的支柱となる2枚で、いよいよFree Soul20周年の一年が始まったな、という気がしてきます。
“声のジョン・コルトレーン”テリー・キャリアーの方は、前回のブログに掲載した僕のライナーに加え、中村智昭による愛情あふれる解説や歌詞カードのついたブックレットも、ヴォリュームたっぷり。すでに「買いました」と声をかけてくれる方も多く、名曲「Ordinary Joe」のコラボレイション・カヴァーを収録した今は亡きNujabesのお父さんから、さっそく電話をいただいたのも嬉しかったです。
『2010s Urban-Mellow Supreme』はまさに自信作、というか自分にとって代表作になるだろう予感に満ちた、100%満足の一枚。やはり前回のブログに詳しい全曲紹介を載せましたが、ジェイムス・ブレイク〜フランク・オーシャン以降、新たなポップ・ミュージックの黄金期を迎えている、と僕は感じる2010年代の集大成。ジャスティン・ティンバーレイク〜ロビン・シック〜ダフト・パンクがメインストリーム・ヒットする時代への、僕なりの回答とも言えるかもしれません。いずれにせよ、これほど錚々たる顔ぶれがリアルタイムで揃うオールスター選曲は、自分のコンピではちょっと記憶にありません。
『2010s Urban-Mellow Supreme』のテイストは、街中で時代の空気感を奏でてくれることを願って、「usen for Cafe Apres-midi」はもちろん、例えば昨日制作した、今年になってショップBGMを手がけることになったINTERSECT BY LEXUS(テイ・トウワさんの依頼ということもあって、楽しみつつも気合いを入れてセレクトしてます)、昨年に引き続き担当しているBEARDSLEY、それにFM NORTH WAVE特番のためのマイ・ミックスでも、色濃く反映されています。今週はプロモーションを兼ねて、HMVウェブサイト用に、今回のCDの内容ともリンクするムック「Jazz The New Chapter」の監修者・柳樂光隆と対談したのも楽しかったです。そこでは僕が20枚のフェイヴァリットも選盤していて、最近いちばん気に入っているクリス・バワーズ『Heroes + Misfits』(ケンドリック・ラマー「Rigamortis」カヴァーにもしびれました)を選んだりしているので、ぜひお楽しみに。

4月以降のコンピ・リリースの準備も、着々と進んでいます。とりわけ跳び上がるほど嬉しいニュースは、遂にミシェル・ルグランの「My Baby」が『Ultimate Free Soul Collection』に収録されること。こちらは25年越しの夢がかなって、ですね。4/9リリースの予定が4/23に変更になってしまいましたが、待ったかいありました。Free Soul20周年を祝福するような、ときめくようなピアノ・タッチ。もちろん3枚組(後ほど収録予定曲を掲載しておきますので、ご覧ください)のディスク1の1曲目にするつもりです。僕もこの歓喜を言葉にするため、当然ライナーを書きますが、Free Soulジャンキーのwaltzanovaが現在、70曲近い全曲解説を鋭意執筆中ですので、そちらもご期待ください。
僕の意向を汲んで、伝説のブートレグ『Ultimate Breaks & Beats』へのオマージュをデザインに組みこんでくれた、小野英作によるジャケットも完成しています。そして何と、タワーレコード&アプレミディの購入特典として、20年前に作ったレコードガイド「Suburbia Suite; Welcome To Free Soul Generation」も復刻されることになりましたので、お見逃しありませんように。さすがにこの、ユニバーサルの太っ腹ぶりには僕も感激して、絶対にいいプロジェクトにするぞ、と気を引き締め直しています。『Ultimate Free Soul Collection』は、5〜6月のFree Soulオリジナル・アルバム・リイシュー100枚のダイジェスト・サンプラーという役割も兼ねているのですが、昨夜はモティヴェイションを高めてユニバーサル会議室にこもり、それらの作品を推薦する帯原稿を書き続けていたほどです。そういえばテリー・キャリアーと『2010s Urban-Mellow Supreme』の紹介動画も、ユニバーサルは用意してくれたそうなので、よかったらご覧になってください。

4/16にPヴァインからリリースされる『Free Soul ~ 2010s Urban-Groove』も、制作が佳境を迎えています。『Free Soul ~ 2010s Urban-Mellow Supreme』が高いレヴェルでバランスの取れた一枚だとすれば、こちらは超強力な攻撃型の布陣。キラー・チューンの連続で、Free Soul20周年リリースの中でも、『Ultimate Free Soul Collection』と並んで最もキャッチーと言えるでしょう。“20年後のトーキング・ラウド〜アシッド・ジャズ”というイメージを起点に選曲を始めましたが、往年のFree Soulコンピを思わせる輝きが眩しいほど。こちらも後ほど収録予定曲リストを掲げておきますので、ぜひチェックしてみてください。ボズ・スキャッグス「Lowdown」やスティーヴィー・ワンダー「As」のナイス・カヴァーを皮切りに、ドライヴ向きというか、春から夏にかけてのポジティヴな気分に合う、グルーヴィーなナンバーが目白押しです。個人的には、去年からコンピレイションへの使用許諾を求めていたテラス・マーティン×ケンドリック・ラマー「Triangle Ship」(ボビー・コールドウェル「風のシルエット」をサンプル)を収めることができたのも、嬉しいですね(アーバン両横綱と考えていた7 Days Of Funk「Ride」は、ライセンス費用が20万円かかると聞いて、はずしましたが)。そして、配信オンリーだったアンプ・フィドラーの「More Than」とクリス・ターナーの「Liquid Love」が共に、マーヴィン・ゲイを彷彿させる絶品であることも、特に強調しておきたいです。

という感じで今月も、僕はFree Soul三昧の日々を送っていますが、新しくコンピレイションのオファーもいただいたので、簡単にお知らせしておきましょう。いずれもFree Soulファンにとっては名門中の名門レーベル、ブランズウィック/ハイ/ホット・ワックス/タブー/サルソウル、それぞれのベスト盤です(加えて秋にアプレミディ・シリーズでジャズの名門ベツレヘムも)。今はリリースがたてこんでいるので、7月以降に順次、心をこめて選曲したものを発表していきたいと思っています。
4/2には『フリー・ソウル・キリンジ』のリリースも近づいてきました。JET SETからはアナログ化の話もいただき、2枚のレコードのために31曲中17曲を選んだところです(『Ultimate Free Soul Collection』もアナログにすればいいのに)。また、CDに収録される31曲について、楽曲に対する思いやエピソード、聴きどころなどを綴ったライナー原稿をSNSで公募し、採用された方には、それぞれの曲名もプリントされた、各1着きりの限定オリジナル『フリー・ソウル・キリンジ』Tシャツがプレゼントされるという、何とも凄い企画も行われるそうです。さらに、堀込泰行とノーナ・リーヴスがライヴ出演して5/6に渋谷・O-WESTで開かれる「サンキング」4周年イヴェントでも、僕はDJを頼まれているので、今から楽しみにしています。3/25発売のノーナ・リーヴスの西寺郷太の初めてのソロ・アルバム『TEMPLE ST.』のライナーも僕は書いていて、ドナルド・フェイゲン『The Nightfly』をモティーフとしたその文章にも記したように、DJの際にも、フロアに笑顔をもたらすファンタジックなリード・トラック「EMPTY HEART」を気に入って、ヘヴィー・プレイしているのです。

そして最後に、大切なアプレミディの話を。現住所でのカフェ営業が、いよいよ残すところ、あと1週間となりました。15年にわたり馴れ親しんだ思い出深い場所を離れるというのに、名残り惜しむ時間もなくワーキング・ウィークが続いていて残念ですが、来週はマスタリング〜ライナー〜DJ〜引っ越し準備の毎日になるので、せめて今日くらいは様々なことを思いだしながら店ですごし、ウィークエンド気分に浸ろうと思っています。憶えば今の空間にアプレミディ・グラン・クリュができてから、ちょうど12年の日にあたるんですね。明日からは、仲間たちと“さよなら公園ビル”DJも始まりますので、ぜひご来店いただけたら幸いです。
そうそう、3/1に開いた『Urban-Mellow FM 77.4』ライヴ&DJパーティーにお越しいただいた皆さんも、本当にありがとうございました。haruka nakamura/AOKI, hayato/坂ノ下典正/ARAKI Shinによるスペシャル・セッション、素晴らしかったですね。Nujabesとの名曲「Lamp」の特別なアレンジ、そしてアンコールはまさかの「今夜はブギーバック」。リハーサルから美しい音に包まれる至福のひとときが続き、思い出をまたひとつ、心の印画紙に焼きつけることができました。
Claremont 56のポール・マーフィーを迎えた2/23、Disco Devianceのディッキー・トリスコを迎えた3/9のDJイヴェントも、とても楽しかったですね。それぞれのバレアリック、それぞれのニュー・ディスコという感じで、音楽好きが集う場所にしか生まれないヴァイブに満ちあふれていました。移転した後のアプレミディでも、ぜひとも「harmony」を続けていきたい、そう強く実感しました。

その新生カフェ・アプレミディについても少し触れましょう。これまでの店同様、友人でもある設計事務所imaの小林恭(クリストフ・ルメールやイルビゾンテに加え、今では世界中のマリメッコの店舗も手がけています)の空間デザインに基づいて、ちょうど週明けから内装工事が始まるところで、4/5にはリニューアル・オープンしたいと考えています。場所は現在地のすぐ近く、渋谷区神南1-9-11-5Fで、不動産物件情報によれば、渋谷/原宿/明治神宮前の各駅から、いずれも徒歩7分(ゆっくり歩いても10分はかからないでしょう)。原点に戻って、“趣味の合う友人宅のリヴィング・ルーム”のように、ゆっくりと音楽を聴きながらくつろげる場をめざすのに相応しい、“眺めのいい部屋”だと思います。実は映画/小説の「眺めのいい部屋」の原題“A Room With A View”は、アプレミディ・レコーズの人気コンピ・シリーズ「音楽のある風景」の英語タイトル“Music With A View”のインスピレイションの源になっているんですね。初めて足を踏み入れたとき、そんな連想がふと頭をよぎりました。
それでは、新しい季節、新しい風が吹くことを祈ってリスタートを切る僕らの「音楽のある風景」を、これからもよろしくお願いいたします。でもその前にもう一度、15年間のかけがえのない思い出が詰まったカフェ・アプレミディで、ぜひお会いしましょう!


『Ultimate Free Soul Collection』収録予定曲(3枚組/¥2,750+税)

〔Disc 1〕
01. Michel Legrand / My Baby
02. The Jackson Five / It's Great To Be Here 
03. Joey Heatherton / The Road I Took To You (Pieces) 
04. Coke Escovedo / I Wouldn't Change A Thing 
05. The Pointer Sisters / Waiting On You 
06. Odyssey / Battend Ships 
07. Jackson Sisters / Miracles 
08. The Spinners / It's A Shame 
09. Lexia / Good Morning To You 
10. Ray Terrace / I Make A Fool Of Myself 
11. Kurtis Blow / Throughout Your Years 
12. Kool & The Gang / Chocolate Buttermilk 
13. Donald Byrd / You And Music 
14. Diana Ross / One Love In My Lifetime〈Single Version〉
15. Odia Coates / I'll Just Keep On Loving You
16. Marvin Gaye / I Wanna Be Where You Are〈Unedited Mix〉
17. Terry Callier / Ordinary Joe 
18. Reid, Inc. / What Am I Gonna Do 
19. Gloria Scott / That's What You Say (Everytime You're Near Me) 
20. Thelma Houston / Saturday Night, Sunday Morning 
21. Richard "Groove" Holmes / I Can't Stop Dancing 
22. The Style Council / My Ever Changing Moods〈Single Version〉
23. Gregg Diamond Bionic Boogie / Hot Butterfly

〔Disc 2〕
01. Sweet Charles / Yes It's You 
02. Joan Armatrading / Barefoot And Pregnant 
03. Alzo & Udine / Hey Hey Hey, She's O.K. 
04. Madelaine / Who, What, When, Where, Why 
05. Bobbie Gentry / Somebody Like Me 
06. Erik Tagg / Tell-Tale Eyes 
07. Dusty Springfield / Don't Let Me Lose This Dream 
08. Jane Birkin / Lolita Go Home 
09. Dexys Midnight Runners / Come On Eileen 
10. Georgie Fame / Eso Beso 
11. Sergio Mendes & Brasil '66 / Tristeza (Goodbye Sadness) 
12. Hodges, James & Smith / What Have You Done For Love? 
13. Elbow Bones & The Racketeers / A Night In New York 
14. Cal Tjader / I Want You Back 
15. Ellen McIlwaine / Toe Hold 
16. Julie Driscoll, Brian Auger & The Trinity / Indian Rope Man 
17. Sisters Love / Give Me Your Love 
18. G.C. Cameron / No Matter Where 
19. Lyn Collins / Fly Me To The Moon 
20. Eddie Kendricks / Goin' Up In Smoke 
21. Martha Reeves & The Vandellas / I Want You Back 
22. Rance Allen Group / Reason To Survive
23. Johnny Hammond / Fantasy

〔Disc 3〕
01. The Three Pieces / I Need You Girl
02. Three Ounces Of Love / In The Middle Of The Feeling 
03. Robert Palmer / Every Kinda People 
04. Johnny Bristol / Hang On In There Baby 
05. Tata Vega / You'll Never Rock Alone 
06. Esther Phillips / Native New Yorker 
07. Alton McClain & Destiny / Crazy Love 
08. Gloria Gaynor / (If You Want It) Do It Yourself 
09. Grace Jones / La Vie En Rose 
10. Ohio Players / Sweet Sticky Thing
11. Stephanie Mills / Never Knew Love Like This Before 
12. Nancy Wilson / If I Ever Lose This Heaven 
13. A Taste Of Honey / I Love You 
14. Minnie Riperton / Simple Things 
15. Blaze / I Wonder 
16. Collins And Collins / You Know How To Make Me Feel So Good 
17. Bobbi Humphrey / You Make Me Feel So Good 
18. Marlena Shaw / Feel Like Making Love
19. Bob Dorough / Three Is A Magic Number 
20. Severin Browne / Stay 
21. Smoked Sugar / I'm A Winner 
22. Blossom Dearie / I Like London In The Rain
23. Funk, Inc. / Let's Make Peace And Stop The War


『Free Soul ~ 2010s Urban-Groove』収録予定曲(¥2,000+税)

01. Incognito feat. Mario Biondi & Chaka Khan / Lowdown
02. Terrace Martin feat. Kendrick Lamar / Triangle Ship
03. Madfinger / As
04. Hiatus Kaiyote feat. Q-Tip / Nakamarra <Remix>
05. Georgia Anne Muldrow & Madlib / Best Love
06. Kendrick Lamar feat. Mary J. Blige / Now Or Never
07. Jessie Ware / 110%
08. Bing Ji Ling feat. Diane Birch / See Me Through
09. The Soul Immigrants / Golden Summer Rays
10. The Spandettes / Sweet & Saccharine
11. Gang Colours feat. Lulu James / Why Didn't You Call?
12. The Brand New Heavies / One More For The Road
13. Sorry Drummer & Firends / Sunshine
14. Chris Turner / Liquid Love
15. The Stepkids / The Lottery
16. Amp Fiddler / More Than
17. Down To The Bone feat. Imaani / Closer
18. Seravince / Perfect Stranger
19. Saskwatch / Only One
20. Kris Bowers feat. Chris Turner / Wonderlove
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