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9月21日──橋本徹のDJパーティー情報

最近ホームページが更新されませんね、と会う人ごとに言われる。ありがたい話なので1か月ぶりにペンを執った。
晴天が続いた夏の終わりはバルコニーで寝ていた。夜は風が心地よい。街の灯りや遠い星を眺めながら、いろいろなことを感じ、いろいろなことを考える。
チリの鉱山で地下700メートルに閉じ込められた人たちが、TV電話で家族と対面しているニュースを観ても、多くのことを思う。自分にとって大切なのは誰か、死とすれすれにいるとき、何が自分に生きる気力を与えるのか。思い浮かべる顔や言葉に、愛しさと切なさと感謝の気持ちがこみ上げる。 それでは、9月に入ってからのことを順に思い出してみる。例によって老後のための覚え書き。
9月1日
ルイ『Lui』の追加プレス、各CDショップの希望数に準じ受注生産に応じた結果、計4,300枚を越えるとインパートメントから報告があった。僕にはわからないところで何かがヒートアップしたのだろう。率直に思うのは、それなら『Chill-Out Mellow Beats 〜 Harmonie du soir』や『美しき音楽のある風景〜素晴らしきメランコリーのアルゼンチン〜』をもっと多くの人に聴いてほしい、ということだ。僕がコメントするまでもなく、はるかに優れている。
9月3日〜4日
2日間にわたってゴンザレスに同行。彼の印象をひとことで言うなら才気換発、やはりその天才・奇才ぶりは際立っていた。もちろん“PIANO TALK SHOW”も素晴らしかったが、名古屋・徳川園で行われたルイ・ヴィトンのパーティーでのDJの評判が良かったのが嬉しい。『Solo Piano』のジャケットに綴られた“HASHIMOTO-SAN”というサインを見るたび、今もあの大きな声を思い出す。
9月7日
丸の内・Cotton Clubで観たフェリックス・キャヴァリエのライヴが楽しかった。ソウルフルなヴォーカルは健在。ラスカルズの名曲から、1970年前後のポップ・ミュージック黄金時代のカヴァーまで。ある意味モッドでロックンロール。
9月8日
実に9か月ぶりに炭火焼肉・ゆうじでポップな晩餐。この夏なぜか最もよく一緒に飲んだワカメロン嬢のバースデイ・イヴ。ゆうじさんは「長年フリー・ソウル×モータウンのポスターが貼ってあった壁に」と、今年初めに作ったコンピ『Freedom Suite』のポスターを新たに貼ってくれている。煙りの先に見える中平穂積さんの写真が抜群にカッコ良い。
9月12日
Tokyo FM開局50周年を記念して企画された、以前に番組発の4枚のCDの選曲を手がけたことのある「Jet Stream」のスペシャル・コンサートのため渋谷・オーチャードホールへ。音楽による世界旅行。やはり僕がこれまでに3枚のCDをプロデュースしているパリ在住のブラジリアン女性シンガー、カチアが素晴らしく伸びやかな歌唱を披露してくれた。続いて青山・Cayに移動してイヴェント「It's A Sunny Day!」。今年の春に亡くなったワック・ワック・リズム・バンドのメンバー、Sunnyを偲ぶ夜。故人を惜しむ気持ちと愛情に満ちあふれていた。僕は90年代・渋谷にあったDJ BAR INKSTICKの光景を思い出していた。
9月13日
前夜からいろんな感情が交錯し、様々な思いが駆けめぐる。人生のこと、恋愛のこと、音楽のこと。いつものようにBar Bossaへ。そしてオープンして間もないPignon。セバスチャン・テリエ「La Ritournelle」の映像の記憶。伝えたい思い、届かない思い。
その後の1週間は、何となく物思いの日々だった。胸に沁みる秋晴れ。そんな中でharaguchicが、木曜日のDOMMUNE、日曜日のAIRと、カリズマのDJに誘ってくれた。僕が「harmony」で何度か彼の「The Power」をスピンしていたのを憶えてくれていたからか。テクニックとエモーションを併せもつカリズマのDJプレイにも惹かれたが、何よりharaguchicのポジティヴな表情に僕は励まされているような気がする。
金曜日は「bar buenos aires」のレギュラー・パーティー最終回で(10/6にカルロス・アギーレを囲んでのスペシャルはあるが)多くの友人が集まった。土曜日は「Soul Souvenirs」。僕はかれこれ14年ぶりにフリーダム・スイートの「Daydream Of The Past」をかけて胸が熱くなる。
そして昨夜は新宿・OTOの15周年記念パーティーだった。メロウでディープでスピリチュアルな30分あまり。ここでDJするのは実は春以来だが、ライヴも最高だったサイゲンジがフロアでいちばん踊ってくれていたのが嬉しかった。終演後、互いの感激を伝え合った。彼は来月の「ムジカノッサ」にもスモール・サークル・オブ・フレンズと共にゲストとして登場するので楽しみにしてほしい。 サイゲンジもそうだが、最近はサンプル盤をいただくこの秋リリースの日本人アーティストの新作がどれも素晴らしい。わざわざカフェ・アプレミディに届けに来てくれたKENKOUの『New Dimensions Of The World』からは、ペペ・カリフォルニアをフィーチャーした「The Coming Of Spring」を夏の終わりの海の家のDJでプレイした。その兄CALMのニュー・アルバムは言わずもがな。やはり鈴木惣一朗さんが自らカフェ・アプレミディに持ってきてくださったワールドスタンダードの『シレンシオ(静寂)』には、『素晴らしきメランコリーのアルゼンチン』への共鳴が表現されていた。もちろん中島ノブユキ『メランコリア』も。ルイ・ヴィトン名古屋のパーティーでハダメス・ニャタリと並べてかけていたら、ゴンザレスが興味を示してきたことも特筆に値するだろう。
そして、いよいよ完成したNujabes追悼アルバム『Modal Soul Classics II』の素晴らしさ、美しさ。オープニングのペイス・ロック feat. Uyama HirotoからCALMの「Music Is Ours」〈Saxmental Version〉への流れだけで、僕は心の震えを抑えられなくなった。さらにharuka nakamuraとUyama Hirotoの「Faure」からクラムボンによる「Reflection Eternal」のカヴァーへのクライマックス。ライナーはこれから僕が書く。
その他ではウルグアイのPippo Speraの1977年作のリイシュー盤『A Buen Puerto』(エドゥアルド・マテオやカルロス・アギーレ〜セバスチャン・マッチ〜『素晴らしきメランコリーのアルゼンチン』のファンならずとも必聴です)や、ホセ・ゴンザレスのJunipというバンド名義作『Fields』をよく聴いている。滞ってしまっている〔web shop〕のページのリコメンデイションも近々再開しよう。そろそろ社会復帰しなければ。サマーズ・ゴーン。ブレイク・オン・スルー。

追記:最近ひとつひとつのDJを大切に、思いをこめてやっているつもりです。明日KOFTAというブランドのパーティーでharaguchicとふたり、たっぷりプレイできるのも楽しみですが、今週・来週とカフェ・アプレミディでDJパーティーがあるので、ぜひ遊びに来ていただけたらと思います。以下はそのふたつのパーティーのフライヤー原稿。DJ陣の強い気持ち・強い愛が伝わることを願って。

「harmony」
9/26(日)18時から24時までカフェ・アプレミディにて入場無料!
『Chill-Out Mellow Beats〜Harmonie du soir』のリリースにリンクする第6回の開催も好評のうちに終えることができたDJパーティー「harmony」ですが、二度目の秋に入ります。橋本徹青年がもしこの2010年にまだ大学を出たばかりだとしたら、どんな曲をフリー・ソウルとしてプレイするだろうか。フリー・ソウルのビートを2010年型にアップデイトすること。「harmony」のかくれたテーマの一つです。SSWの内省の先にディープ・ハウスを発見し、メロウ・ビーツと4つ打ちの間をたゆたう。そんなパーティーです。ぜひ遊びにいらしてください!(Takahiro Haraguchi)

harmony classics
Maxwell / Til The Cops Come Knockin'(EP『The Opus』)
マーヴィン・ゲイ『I Want You』のように引き裂かれた魂を慰撫し、世界を濡らす愛の声にソウルのゆくえを託す。夏の火照りを鎮める甘い蜜と孤独の影。マックスウェルの歌とサウンドに感応して、「警察官がドアをノックするまで」官能の海に溺れたい。もうこんな愛でしか心は癒えないのだから。(橋本徹)

Erykah Badu / Gone Baby, Don't Be Long
Erykah Badu最新アルバムの中で一番好きなのは清涼感溢れるこの曲。しかも元ネタがポール・マッカートニーだったという驚きの事実はAOR好きを公言してる僕としては最高に嬉しいサプライズ! しかもTwitter経由でポールに許諾を取ったという「今」な話題性も含めて完璧です。(Takeru John Otoguro)

Mademoiselle Caro & Franck Garcia / Soldiers(Ben Watt Remix)
ここ最近(もちろん「harmony」でも!)ついついかけてしまう、今年お気に入りの一曲。EBTGのBen Wattが主宰するレーベルBuzzin' Flyらしい爽やかでいてメランコリックなこの曲は、これからの季節、また違った聴き方ができるかもしれないですね。(haraguchic)

D.D.Sound / Cafe
イントロのパーカッションが耳に入った瞬間、わたしはいつも魔法にかかってしまう! サンバのリズムと高鳴るフルート、踊る音符はDiscoというジャンルを飛び越え「Cafe」からダンスフロアへ16分のあっという間の小旅行!(mom)

Timmy Regisford / La Vem Abainana
ソウルフルかつ男気溢れるDJプレイで人気のTimmy。小粋で心地よい良質なブラジリアン・ヴォーカル素材を使ったやや異色の作品。しかし、シンプルなトラックで素材の良さがフロアで最大限輝く仕上がりは、フロアを知り尽くした氏ならでは。(NARU)

Calm presents K.F. / Key Free
美しいピアノの旋律とヴァイオリンのメロディー。 なんだか秋の始まりを予感させる切ない曲です。 Calm……繊細です、涙。(YUJI)

「Lots Of Lovin'」
10/1(金)22時から翌5時までカフェ・アプレミディにて¥1,000(1ドリンク+ぶどうのタルト+先着50名様スペシャルCD-R)
奇跡の顔合わせが遂に実現しました! みんなが好きなキラキラした90年代の雰囲気を、音楽好きな人にたくさんの愛と歴史的な一夜を、すばらしい音楽と共に!(ユズル)

DJ's Choice for Lots Of Lovin'
Primal Scream / Movin' On Up (Dixie-Narco EP)
「Lots Of Lovin'」でかけるロック。これが俺のいちばん好きな時代。この12インチが出た瞬間、90年代は特別なディケイドになった。ダルでタフでファンキーなヴォーカルがカッコ良すぎ。スティーヴン・スティルス「Love The One You're With」を彷彿とさせるアコースティック・グルーヴ、とフリー・ソウル文脈では紹介したが、この秋はニール・ヤング気分でスピンする。(橋本徹)

Raw Instinct / De La Bass (Original Mix)
午前2時のカフェ・アプレミディに響きわたる漆黒のクールなグルーヴ。イントロのソリッドなベース・ラインからDJ HIGH-Dもニヤリと目を合わせる。踊り疲れた人の身体を癒すボディ・ソニック・サウンドが心地いいのも「Lots Of Lovin'」なのです。(吉本宏)

PM Dawn / Set Adrift On Memory Bliss
数あるSpandau Balletの「True」ネタ使いの曲の中で、個人的に思い出も深く、ひときわ涼しげな透明感を放つ。暑い夏、海からの帰り道、サンセットを横目にカー・ラジオから流れてきてほしい一曲。2010年夏、皆さんにとって思い出深い夏になりましたか(u.u)。この曲を聞く度、暑い夏を思い出すと共に、夏の終わりを告げるような、懐かしくも寂しげな気持ちになるのは私だけでしょうか(笑)。(DJ HIGH-D)

The Pharcyde / Runnin' (Tuff Love Remix)
Tuff Loveの第2作品目!!! Hip Hop Classicsの中でも名作な The Pharcydeの「Runnin'」を 大胆にRemixした作品です。オリジナルも言うことなしの格好良さですが、Tuff Love Versionはまた一味違った感じで聴かせてくれます! あの爽やかに流れるような感覚を崩さず、更にパーカッション等も加わって賑やかな感じの仕上がり。太いベース・ラインが良い感じに曲の流れを作ってます! もちろん今回もかけるのでお楽しみに♪(DJ CHIEMI)

D'Angelo / Lady (CJ Mackintosh Mix)
僕ら世代は大好きなD'Angelo、セクシー・ヴォイス全開なこの曲を。オリジナルの生なグルーヴにもやられるけど、このMixのドラマティックな展開、ぶっとくなったビート、なによりキラキラ感がハンパない、最高すぎ! なかなか新作出ないけど、ずーっと待ってるよD'Angelo!(ユズル)

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