『音楽のある風景〜冬から春へ〜』はもう聴いていただけましたでしょうか? 僕が選曲したコンピの2009年ラスト・リリースとなります。全国発売された12/17には、今回のフィナーレに選んだアンドレス・ベエウサエルトがピアニストとして在籍するアカ・セカ・トリオの新作も偶然アルゼンチンから入荷し(しかもセバスチャン・マッキのカヴァーを収録!)、そのシンクロニシティーを祝うように僕は同好の友人たちとシャンパンで乾杯しました。
アプレミディ・セレソンでもご好評いただいている『音楽のある風景〜冬から春へ〜』は、HMVの部門別チャートでも発売初日から1位を続けていると聞いて、嬉しく思っています。欲を言えば、ジャズ売り場以外でも展開してもらえたら、内容的にももっとたくさんの方に伝わるはずなのに、という気持ちもありますが、不遜な望みなのでしょうか。僕の思い入れもあって、オープニングのメンタル・レメディー(CDで「The Sun・The Moon・Our Souls」を聴けるのはこのコンピだけ、というのがセールス・ポイントになっているようです)とエンディングのアンドレス・ベエウサエルトに話題が集中しがちな印象がありますが、こだわり抜いたカヴァー曲のセレクションにも注目してほしいところです。ジョニ・ミッチェル/スティーヴィー・ワンダー/ジョイス・クーリング/ジャヴァン/ビートルズ/ケニー・ランキン/イヴァン・リンスといった素晴らしいオリジナルを独自に解釈した、必ずそのアーティストならではの個性とセンスが感じられる珠玉のヴァージョンに限って選んでいます。コール・ポーター「I've Got You Under My Skin」のアルゼンチン版、ロジャース&ハート「Little Girl Blue」のスイス版の、2曲の僕の大好きな名スタンダード・カヴァーにも同じことが言えるでしょう。大切な人とすごす時間に、ひとりですごす大切な時間に、そして大切な人へのギフトに、このコンピを重宝してもらえたら、それほど嬉しいことはありません。掛け値なしに、疲れた心も芯から暖めてくれる一枚になったのでは、と制作にご協力くださった皆さんへの感謝の気持ちがこみ上げてきます。
それから、ひとつスペシャルなお知らせがあります。今回の購入特典となったオリジナル読本“『音楽のある風景』の愛聴者のために”の最終見開きページに掲載した架空コンピレイション『音楽のある風景〜めぐる季節の中で〜』が、そのままの選曲で「usen for Cafe Apres-midi」で放送されることになりました。“夢から幻へ”編が“幻から夢へ”となったわけです。12/26〜1/10の間、連日午前10時から12時までのプログラムで、2時間放送とするためボーナス10曲も追加しています。詳しくは12/26更新の「usen for Cafe Apres-midi」ホームページをご覧いただき、ぜひお聴き逃しのないように!
さて、いよいよ年の瀬が近づいてきましたが、僕は今年は仕事もあとわずか。アシッド・ジャズ・レーベルについての原稿と、「waxpoetics」誌のフリー・ソウル特集のための3時間ロング・インタヴュー、それに2月リリースのフリーダム・レーベルのコンピ『Freedom Suite』とニーナ・シモン/ホセ・フェリシアーノのフリー・ソウル・ベスト盤の曲順を考えるぐらいで、例年よりゆっくりすごせそうです(悪夢のようだった2000年代を振り返り、反省しながら)。
そしてカフェ・アプレミディでは、[cafe menu]のページにあるように、お得な(そして美味しい)クリスマス・メニューも始まりました。It's The Time Of The Season For Loving──“ふたりのシーズン”到来にもかかわらず、僕は今年もクリスマス・ラヴは出場辞退濃厚ですが、ご来店いただいた方へのプレゼントに、クリスマスCD-Rは最高のものを作りましたので、ぜひクリスマス・コースを楽しみにいらしてください。特に主菜の「牛ホホ肉の赤ワイントマト煮込みココアの香り」は絶品だと思います。そうそう忘れちゃいけない、12/25は青山・FAIでの「フリー・ソウル15周年記念CDリリース・パーティー」で絶対お会いしましょう!
追記:年が明けて1/8には、カフェ・アプレミディで『音楽のある風景〜冬から春へ〜』のリリース記念DJパーティーも決定しました。新年会も兼ねて皆さんにぜひともお集まりいただければと思いますが、詳細はまた改めて!
来年早々には、「アデュー・フィリピーヌ」を始めジャック・ロジエ作品の一挙上映や、コリーヌ・ベイリー・レイとシャーデーの新作到着という、嬉しいニュースも入ってきましたね。新しいディケイドは僕も“Soldier Of Love”を信条に(マジです)、ひたむきに前向きに生きていきたいと考えております。